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食品ロスと障害者雇用拡大を一度に解決

新型コロナウイルス感染拡大を受け、行き場を失った農作物を農家さんから直接購入するサービスが広まっていますね。そういった販売・出荷出来なかった農作物の活用に障害者雇用を結びつけた取り組みを行っている会社があるのをご存知でしょうか。それが、パーソルサンクス株式会社(以下、パーソルサンクス)です。

パーソルサンクスは、パーソルグループの特例子会社として、1991年12月に設立。横須賀市にある「よこすか・みうら岬工房」では、地域の農家さんの人手不足を解決するため、障害のある社員が様々な農作業のお手伝いを行い、地元農家の労働力不足解消と、障害者雇用の拡大を同時実現させる農業と福祉の連携「農福連携」に取り組んでいます。また、同工房には以前から、「販売・出荷できなかった農作物を有効活用したい」という地元農家の皆さんの声が集まっていました。一方、同工房では、雨などの悪天候時には予定していた農作業が実施できないこともあり、天候に左右されない仕事の創出も考えていました。

この両方の課題を解決するために、同じくパーソルサンクスが運営する「よこはま夢工房」と連携させる取り組みが考え出されたのです。「よこはま夢工房」は、クッキーの原材料のミキシングから焼き上げ、包装に至るまですべての工程を障害のある社員が分担して製造している工房です。その工房で地元の農作物をパウダー化したものを、材料として活用したクッキーを製造するということ、また、よこすか・みうら岬工房では、悪天候時での農作業が行えないという問題に対しては、室内でも作業が可能な農作物の選別、洗浄などの新しい仕事を創出するということで対処したのです。

第一弾は7月~8月に収穫後1カ月間熟成させ、糖度が25%アップした地元産バターナッツかぼちゃを使ったクッキーを製造しました。地元産農作物の有効活用の本格化に向けて、まずはクッキーとの相性を考えて、バターナッツかぼちゃを選んだそうです。販売は、10月19日から開始しており、横浜市南区の「パーソルサンクスよこはま夢工房」のほか、個数により電話での注文も可能とのこと。また、パーソルグループ社員向けの置き菓子サービス「オフィスサンクス」でも販売される予定です。

現在、「よこすか・みうら岬工房」では農作物の受け入れ、選別、洗浄までを行い、パウダー状にする加工作業は外部の食品加工会社に依頼していますが、2021年度中には、加工(乾燥、粉砕、充填)作業も内製化できるように、社員のスキル習得・設備の準備を進める予定です。また、実際の農作物もパーソルグループ内でオンライン販売を予定しているそうで、12月にはみかん、2021年2月にはイチゴなど、各時期の農作物が登場するようです。

販売・出荷できなかった農作物を捨てずに活用する商品やサービスは続々と登場していますが、パーソルサンクスのように障害者雇用拡大にも貢献する取り組みは少ない状況です。一つの問題に対する解決だけでも素晴らしいですが、他の課題と掛け合わせて解決できるアイディアが生まれてくると、さらに持続可能社会に近づくのではないかと思います。

Photo:パーソルサンクス株式会社

(エコイスト編集部)


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