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渋谷を”消費の終着点”から“新しい循環の出発点”にシフトする

渋谷は国内外から注目を集める国際都市として目覚ましい発展を遂げています。その一方で、人の欲望が集まり様々なものが捨てられ、大量のゴミの廃棄が問題となる、ある種の”消費の終着点”としての顔も覗かせています。しかし渋谷のゴミを「資源」として捉え、街を”新しい循環の出発点”にシフトする「渋谷肥料」という取り組みが進められています。

「渋谷肥料」は、都会に暮らす生活者の視点にクリエイティビティを掛け合わせることで、ゴミ問題に対して肩肘張らずに向き合い、新たな循環型社会の仕組みを創るプロジェクトです。現在は渋谷に集う様々なプレーヤーの方々と共同で、「サーキュラーキット」、「サーキュラースイーツ」、「サーキュラーコスメ」の事業化に向けて動いています。そんな渋谷肥料プロジェクトのリーダーである坪沼敬広さんに、今回エコイスト編集部がお話を伺いました。


「渋谷肥料」のはじまり

プロジェクトは、2019年11月に開業した「渋谷スクランブルスクエア」内の共創施設「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」のプレオープンにはじまります。開業前に「渋谷の新しい魅力を発信する」をテーマにしたアイデアソン(様々な分野の人々が集まりアイデアを企画するイベント)が開催されたのですが、参加者として集まったメンバーで考案したハロウィンのゴミ問題に取り組むアイデアが優勝したことで、QWSでの活動がスタートしました。その後渋谷のゴミは事業系の生ごみが大半を占めることが分かり、より持続的に渋谷のゴミ問題に向き合うことはできないか?と考えた結果、偶然の出会いからはじまったチームによって渋谷肥料プロジェクトがキックオフしました。

「渋谷肥料」という名称から、環境問題や農業に携わる方々で構成されたチームと思われがちですが、坪沼さん自身は普段はクリエイティブディレクターとして個人事務所の代表を務めており、他のメンバーも都立高校生やシステムエンジニアなど、環境問題や農業以外の領域から集まったメンバーが主体となっています。しかし”一般の都市生活者”だからこそ見えてくる課題意識や解決方法が高く評価され、2020年度の東京都におけるイノベーション・エコシステム形成促進支援事業の渋谷エリアの共同プロジェクトにも採択をされました。現在は渋谷のまちづくりを担う東急グループの各社や様々な分野のエキスパートと共に、以下の3つのアイデアの事業化に取り組んでいます。

サーキュラーキット

「サーキュラーキット」は、渋谷の生ごみを再利用した堆肥に植物のタネを組み合わせた栽培キットです。元々は生ごみを再利用した肥料をパッケージ化するアイデアからスタートしました。ホームセンターなどで販売されている家庭菜園向けの肥料は、容量が多すぎたり欲しいと思えるデザインが少ないという声を受けて、肥料の色や香りを調整したり、扱いやすい小袋方式になったお洒落なグラフィックのパッケージといったアイデアが生まれました。しかしヒアリングやプロトタイピングを繰り返した結果、肥料よりも栽培キットがより多くの人たちのニーズを満たすことや、家庭菜園を通じて人の輪や循環型社会の営みを感じられるものを作りたいと考えて、2021年2月の販売を目指して渋谷の都市農園とも連携しながら新たに栽培キットを開発しているとのことです。

「サーキュラーキット」の原型となった肥料のデザイン案

 

扱いやすい小袋方式のパッケージアイディア

 

2020.12.18